私は卵テンペラや油彩画を主に扱う作家で、最近では陶器の制作も含め、素材にとらわれない多様な表現方法で制作しています。
卵テンペラは、主に宗教画に用いられてきた1000年以上続く古典技法として知られていますが、半透明な美しい色彩の層を重ねて描くことができる点に着目しています。その特性を生かし、日常の何気ない風景をドラマチックに、且つ人間や社会の儚さや移ろいやすさをも示唆する絵画表現を目指しています。日々移り変わるテーマを取り上げることは、仏教の諸行無常の思想にも通底するものです。 テンペラ画においては、現在も主に、古典になぞらえた細密描写で写実的な表現を行う作家が多いところですが、その中で、その速乾性の高さからくる描画の瞬発力が反映される素材の特性を生かし、ドローイングのように軽く、大胆とも言える絵づくりを行う点において、私の着眼点と制作手法は独創的であると言えるかもしれません。またそのような画法は、私が東京芸術大学在学中に精力的に制作を行った水墨画の技術をテンペラ画に応用している側面があります。水墨画から学んだ技法を西洋のテンペラ画に変換することにより、東洋人である私ならではのテンペラ画制作を目指しています。
小林みなみ
小林 みなみ
Like A Running In A Dream
2020年
油彩、キャンバス
116.7 x 116.7cm
Minami Kobayashi
2020
Oil on canvas
45.9 x 45.9 inch
JPY 260,000- (+Tax )
Moonlight
2019年
卵テンペラ、パネル
30.5 x 30.5cm
2019
Egg tempera on panel
12.0 x 12.0 inch
JPY 100,000- (+Tax )
例えば、白い塗り壁があったとする。 その塗りムラの凹凸がつくる白い点や線たちが、私にとってそこに絵を描くためのきっかけとなる。 絵にするための色や形、描かれるパーツや塗りたちの関係性について、大まかな骨組みを、例えた塗り壁のようなものから直接見出している。 それらは私が選び、コントロールするが、選ばれた点や線、面といったきっかけたちは偶然であり、全ての絵は一発勝負である。 そのような方法を用い、塗り壁ではなく、キャンヴァス上に絵を描いている。 出てきた大まかな骨組みから完成まで、自分の持っている情報や技術を駆使し、タブローの画面を仕上げていく。 重要なのは、「軽さ」「速さ」「正確さと不正確さ」、この3つである。
深川 未貴
BF-202010-0 (カニ)
184.0 x 240.0 cm
Miki Fukagawa
BF-202010-0 ( Crab )
72.4 x 94.4 inch
JPY 420,000- (+Tax )
BF-202003-0(ウーポコ)
スタイロフォーム、石粉粘土、アクリル
H.32.0 x W.32.0 x D.4.5 cm
BF-202003-0 ( Upoko )2020
Styrofoam, stone powder clay, acrylic
H.12.5 x W.12.5 x D.1.7 inch
JPY 36,000- (+Tax )