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Chika Osaka

Patched Scales

Jan. 15 - Feb. 12, 2022

Ryogoku

大坂 秩加

つぎはぎのうろこ

2022年1月15日 - 2月12日

両国

Artsy

GALLERY MoMo Ryogoku is pleased to present a solo exhibition by Chika Osaka entitled Patched Scales from Saturday, January 15 through Saturday, February 12.


Using gradation technique, she successes to represent her lithographs like Ukiyo-e. The technique of prints applied to her paintings and drawings, which made her works especially unique. She depicts Japanese traditional manner and patterns of clothes, buildings and background with details, however the theme of her works is the life in the society. People in her works try to live fervent but comically and idiotically even thought they are faced with the harsh conditions.

Since the beginning of her career, Osaka has worked on finding a way to show the works effectively with the texts. The artist gets a lot of inspiration from the texts like short novels or private diaries created by herself, however, her works do not describe the stories directly and the texts do not complement her works like book illustrations. In addition,

In this exhibition, Osaka will show one masterpiece with the texts of various stories. By composing one work with multiple texts, it is beautifully brilliance like fish scale; one piece of the scale has beauty and individuality, but when you look at the scales as a whole, the beauty and brilliance are further increased. As it may look different, this work will also add to the new brilliance of Osaka's culmination of the past.

When I sit down the chair at a snack bar, there is a woman called “Mom” who listens to the customers’ stories just with nodding. In the backspace, regulars are singing freely, laughing loudly, and even crying. In the feeling as if I get buried in the noisy sounds, I talk like taking breath. It is impossible to have a conversation at this counter of the bar, so I’m like talking to myself. But, it’s better to have someone in front of me.

We could consider our life, today’s events and ourselves deeply in places where particularly no one interferes. Also, we sometimes talk too much about ourselves in our hearts to people who do not know about me and might not cross again. I think the words that come up in the end of the day like breathing contain the essential thing of the person.

I attempt to relate to viewers directly by using the fiction of words as a motif.

 GALLERY MoMo Ryogokuでは1月15日(土)から2月12日(土)まで大坂秩加による個展「つぎはぎのうろこ」を開催致します。

 大坂秩加は1984年東京生まれ、東京藝術大学で油画を専攻後、2011年に美術研究科修士課程版画専攻修了。2010年シェル美術賞展で審査委員賞を受賞、2014年にはVOCA展で佳作賞を受賞、市原湖畔美術館で開催した「プリントって何?―境界を超えて―」や、2016年に京都で開催された京都版画トリエナーレにも参加しました。また、当ギャラリーでは2011年より個展を開催、2015年にドイツのMICHEKO GALLERY、2019年にはスイスのMuseum Franz Gertsch、2021年には台湾のELSA GALLERYで個展を開催し、活躍の場を広げています。

 高度な版画技術を持ちながらもその技法にこだわらず、版画、水彩、油彩と作品を展開し、コミカルで親近感のある人物を描きつつ、着衣や日常品の文様には日本の古い様式から転写され、どの技法からも現代的な浮世絵というイメージを想起させます。 初期より大坂は、学生時代に関わった舞台美術から制作への着想を得、作品に自身で作った小説の一節とも誰かの日記の一部とも言えるような、様々な女性の日常を描いた短い文章と合わせて作品を発表してきました。個展を重ね、モチーフとしている台詞は戯曲、描く人物は役者、テーマに合わせたインスタレーションは舞台セットといったように展開させ、展覧会を通して群像劇を作り上げ、虚構の中のリアルを表現しようとしてきました。ユーモアとアイロニーが混じり合うそのテキストは、フィクションでありながら、作家と同世代の多くの女性に強く響き、共感を得てきました。

 これまでの個展では、1つのテキストに対し平面作品1点を制作し、その2つをどのようにつなげ見せるか、また音やインスタレーションを交えながら空間全体をどのように作り上がるかということを追求してきましたが、本展は大作1点のみを展示し、その中にある様々な物語のテキストを展示する予定です。過去に書いたテキストを、演劇における演出家のように、現在の大坂が再解釈をして新しく描いた一コマもあれば、以前描いた作品のモチーフが違うテキストから作りあげられる一コマもあり、過去から現在に至るまで大坂自身の変化はもちろん、観る側の私たち自身にも、作品やテキストに対して変化を感じさせてくれる作品となっています。

 複数のテキストによって1つの作品が構成されることで、魚の鱗のようにその一枚にも美しさと個性を持ちつつ、鱗の重りを全体として見る時、さらにその美しさと輝きを増して違うもののように見えることがあるように、この作品も大坂のこれまでの集大成として新たな輝きを増すことでしょう。大きな画面の中に詰まった大坂らしい世界観をご高覧いただければ幸いです。



アーティストコメント


人生は一見無関係に見えるエピソードのつぎはぎのように感じます。


どのようなものであっても、断片と断片とのつながりによって新たな意味を持ったり、全体が見えたりするものです。


それは、人とのつながりが断絶されてしまったコロナ渦で、関係を持たないそれぞれの生活がこの時代の流れをつくっているのとも似ているように感じます。私は今回のこれまでに経験したことのない時間を過ごす中で、いくつもの無関係に見えるエピソード をつぎはぎにした「集」としての人々の営みが垣間見れるものを描きたいと強く思うようになりました。


私はこれまで、戯曲のセリフのような言葉をモチーフに絵画作品を制作してきました。


独立したひとつのモノとして言葉をテキストとして起こし、それと対になるように絵画作品を発表するというものです。そのテキストと絵画の関係性は、戯曲と舞台の関係と同じです。


これまで作品を販売するにあたって、テキストだけは販売をせずに手元に残してきました。 それは、テキストを戯曲とするならば、またそれをモチーフとして別の舞台(絵画作品)の再演(制作)が可能だと考えていたからです。ひとつのテキストから絵画作品をつくった数年後または数十年後、同じテキストを用いて新しい解釈で作品を描くという奇妙さに、私自身とても興味があったのです。


この作品では過去のテキストを用いて、いま現在の私の解釈で新たにシーンを描き起こしている部分があります。それは必ずしもプラスに更新されているとは限らず、以前の解釈の方が面白い場合や過去作の反復と思われるものもあるかもしれません。しかし、それでも確実にテキストと作品の間には数年の時間の流れがあり、少なからず作者である私の解釈の違いが含まれています。


断片のエピソードとその集積を描いたつぎはぎの大作を、どうぞごゆっくりご覧ください。


2021 年 大坂 秩加

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