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In Those Days

Chika Osaka, Naomi Okubo, Takumi Saito, PARK Aeri

May.21 - Jun.25, 2022

Ryogoku

In Those Days

大坂 秩加・大久 保如彌・齊藤 拓未・朴 愛里

2022年5月21日 - 6月25日

両国

coming soon

 GALLERY MoMo Ryogokuでは5月21日(土)~6月18日(土)まで、大坂秩加、大久保如彌、齊藤拓未、朴愛里によるグループ展「In Those Days」を開催いたします。

今展では記憶をたどるような作品を描く、80年代生まれと90年代生まれの女性アーティストを「In Those Days/あの頃」とのくくりでそれぞれ二人ずつ取り上げ、過去の記憶の中の風景や、自身を投影させた少女や女性を内省的に描いた作品を中心に展示します。

80年代生まれの大坂と大久保、大坂は健気に生きる少女や女性を繊細な描写で愛おしく描き、大久保は鮮やかな色合いで自身の分身のような女性の、少女から女性へと至る内面を描き続け、90年代生まれの齊藤と朴は、現在の自分から幼少期の自分自身を繊細な感覚で振り返る作品を制作しています。

「あの頃」の捉え方は世代間の違いが見えて興味深く、しかしそれぞれの作品は「あの頃」の少女や女性たちの風景、或は自身の記憶をそれぞれの思いで作品に投影させ、過去への思いの深さを感じる点で共通性も見られ、こうした共通点や視点の違いなどを、作品を通してご高覧いただければ幸いです。


 

大久保 如彌

1985年東京都生まれ、2011年武蔵野美術大学大学院修 士課程修了。2005年にシェル美術賞展に入選、2007年にはトーキョーワンダーウォール賞を受賞しました。韓国、 ソウルで開催されたAsian Student and Young Artists Art Festivalに参加、A.STYALE Gallery(香港)、 Gallerie Christoffer Egelund(デンマーク)、ELSA GALLERY(台湾)で展示を重ね、スウェーデンでのレジデンスプログラムに参加し、個展を開催。その後、スウェーデンの美術館Hallands Konstmuseumに作品が収蔵されました。文化庁新進芸術家海外研修制度にて2017年から 2019年にニューヨークに滞在、その後、公益財団法人吉野石膏美術振興財団の在外派遣研修制度にて滞在を続け、 2020年に帰国しました。

大久保は初期より、他者との繊細な関係性をテーマに作品を制作し、多感な少女の内面を描いてきました。自身をモチーフに顔を隠して描くことで、作品の中の少女に鑑賞者自身を、もしくは近しい女性を重ね合わせ、国籍を問わず多くの共感を得てきました。 人間関係の中で、装うことで自分と他者がつながっていく経験を得ながら、どう振る舞う(装う)べきかという見えない社会の圧力のなかで、装飾の持つ機能や意味、社会との関連性を考察しながら、現代社会の断面を作品化しようと試みてきました。様々な経験を重ね、他者との関係性が変化する中で、社会性の強いテーマに関心を深めながら、その繊細で鮮やかな描写はそのままに、社会の中で様々な問題が埋もれていくように、大久保の作品からも強いメッセージが直接的に表現されることはありません。しかし、美しく描かれた装飾と、時にパターン化するように複数の同一人物が画面に登場する作品は、観る者に不思議な感情と多少の不安感を惹起させ、作品に二面性を持たせています。

昨年の個展では、アメリカ滞在での様々な矛盾や自身の身近な問題をテーマにしながら、一見美しい温室や観葉植物に囲まれた部屋に現在の閉塞感や矛盾が垣間見える新作とインスタレーション作品を発表し、作品に込められた視点を広げています。本展では、そうした前回の個展より続くBirdcageシリーズの新作と、旧作を展示する予定です。



 

大坂 秩加

1984年東京生まれ、2011年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。2010以来テーマ性を持った個展を継続して開き、シェル美術賞展やVOCA展などでの受賞を重ね、大学時代から高いレベルで制作してきた版画作品は、町田市立国際版画美術館や中国浙江美術館、上海半島美術館に収蔵され、ドイツや台湾での展示に加え、一昨年はスイスでの個人美術館Museum Franz Gertschでの展示に於いて好評を博し、活動の場を飛躍的に広げているところです。

初期より大坂は、学生時代に関わった舞台美術から制作への着想を得、作品に自身で作った小説の一節とも誰かの日記の一部とも言えるような、様々な女性の日常を描いた短い文章と合わせて作品を発表してきました。個展を重ね、モチーフとしている台詞は戯曲、描く人物は役者、テーマに合わせたインスタレーションは舞台セットといったように展開させ、展覧会を通して群像劇を作り上げ、虚構の中のリアルを表現しようとしてきました。ユーモアとアイロニーが混じり合うそのテキストは、フィクションでありながら、作家と同世代の多くの女性に強く響き、共感を得てきました。

先般開催された個展では、過去の作品と共に発表した文章を含む複数のテキストからなる横幅5mを超える大作をこれまでの集大成として発表し、好評を得ました。本展では、台湾の個展で発表した日本未発表の作品を展示する予定です。



 

齊藤 拓未

1996年東京生まれ。2018年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業し、

2020年同大学造形研究科修士課程美術専攻日本画コースを修了、その後東京で個展やグループ展を重ねてきました。

彼女の作品には、公園や遊具、学校帰りに見た風景や、その風景と一緒に小学生の女の子が、中高でイラストに親しんだという手法をそのままにフラットに描かれ、一人どこか遠くを見つめる子、友達と遊ぶ子、写真をトリミングした足だけが描かれている子、またその子の視点から見えたような景色が、淡いトーンで描かれています。

昔の自分を作品の中の少女に投影しつつ、残しておきたい目には見えない感情を表現していると言い、幼児のような無邪気さは少女の表情からは伺えないものの、「自分が自分であった」頃を描いています。最近の作品では、その感覚を思い出すように、そしてそれを忘れないように、手がかりになるような風景や出来事を記録するように作品制作に取り組んでいます。



 

朴 愛里(ぱく えり)

1992年東京に生まれ、韓国京畿道で育ち、2021年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業しました。2017年「第3回ナミ国際絵本イラストレーション・コンクール」、2020年「玄光社 illustration 第214回ザ・チョイス」入選。 2021年には、「第5回アワガミ国際ミニプリント展」入選、「第8回山本鼎版画大賞展」で優秀賞を受賞しました。

Eri Park was born in 1992 in Tokyo and raised in Gyeonggi-do, South Korea. She graduated from Musashino Art University in 2021. Selected

韓国で、絵本の専門学校に通っている時に版画プレス機と出会い、版画作品の制作を始めた朴は、その頃より家族をテーマに作品制作を始めました。武蔵野美術大学卒後は、幼少期に撮影された自身の写真や、戦時中から戦後の日本で生活をした祖父母の様子を写した写真を繋ぎ合わせ、歴史的な問題を内包しながらも「自己の存在」を模索する作品を制作しています。

本展では、その中でも「自己の存在」に悩み、様々な疑問と向き合いながら制作した「出生」や「Inner Child」を展示する予定です。



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